大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)5137 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

被告人を免訴する。

理 由

弁護人鈴木房一の上告趣意は末尾添附のとおりである。

職権により調査するに、本件公訴事実は、被告人は、機帆船Aの管理人であると

ころ、同船長B外三名と共謀の上、税関の免許を受けないで、第一、昭和二五年五

月二一日頃a港に於て機帆船Aに杉板材約三千坪茶四十貫他一点を積載の上出港し、

同年五月三一日頃北緯三〇度以南である南西諸島b島に右貨物を陸揚げし以て密輸

出をなし、第二、同年六月一〇日頃北緯三〇度以南である前記b島に於て右Aに黒

糖約三千斤及びそら豆四、六瓩、米国製煙草(ラツキ―ストライキ)四十本他二点

を積載の上同港を出帆し、同月一一日鹿児島郡c村d島に到着、同島に右黒糖の中

約二千四百斤を陸揚げし、更に同月一二鹿児島港に入港、C株式会社前附近に残り

の貨物全部を陸揚げし以て密輸入をなしたものである、というのである。

そして右南西諸島b島は右行為の当時には、旧関税法の適用上外国とみなされて

いたのであるが、法令の改正(昭和二八年政令四〇七号)により昭和二八年一二月

二五日以降は右地域は外国とみなされなくなり本邦の地域とせられることとなり、

本件公訴事実は犯罪を構成しないものとなつて右行為の可罰性は失われたものとい

うべく、本件は、刑訴三三七条二号に該当するものと解しなければならないこと当

裁判所大法廷判決(昭和二七年(あ)第二四五六号、同三二年一〇月九日言渡)の

示すところである。従つて原判決及び第一審判決は、弁護人の上告趣意に対する判

断をするまでもなく、これを破棄しなければ著しく正義に反するものと認める。よ

つて刑訴四一一条五号を適用し原判決及び第一審判決を破棄し、同四一三条、四一

四条、四〇四条、三三七条二号により、被告人に免訴の言渡をなすべきものとし、

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主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官島保を除くその余の裁判官一致の意見によるものである。

裁判官小林俊三は、右の点に関し昭和二七年(あ)第四三四号同三〇年二月二三

日言渡大法廷判決記載の同裁判官の意見と同一意見を附加する。

裁判官島保の反対意見は前記、昭和二七年(あ)第二四五六号同三二年一〇月九

日言渡大法廷判決記載のとおりである。

検察官 井本台吉出席。

昭和三二年一二月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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